勉強には2つのステップがある
数学に限らずであるが、勉強を効率良く行うためには、2つのステップを踏むと凄くいい感じになる。
- ステップ1:やる気を出す
- ステップ2:勉強する
ステップ1の「やる気を出す」とは、勉強する分野(例えば数学)の事を好きになり、興味を持つことである。
好きこそ物の上手なれということわざもあるように、自分の好きなものには時間を忘れて熱中できる。そして、勝手に上達していく。勉強もこの状態に持っていくことができれば最高である。
そのため、やる気を出すというステップはかなり重要である。しかし、世の中にある勉強方法のほとんどは、勉強の方法論は教えてくれるものの、肝心のやる気を出す方法についてはノータッチなことが多い。
僕は、数学に関しては2つのステップをしっかり踏んできたと思っている。
そこでこの記事では、僕自身の経験を踏まえて2つのステップをどちらも網羅した内容を伝えていきたいと思う。普通の勉強方法の話はもちろんのこと、最後にやる気を出す方法も書いた。
少しでも数学を勉強する上で参考になれば嬉しく思う。
と、偉そうなことを書いたが、僕は英語に関してはこのステップは両方ともできていない。なので、みんなもこれができなかったとしても心配しなくていいと思う。
どうやったって上手くいかないこともあるから。人間だもの。
数学の点数は英語の2倍
僕は今では立派なTOEIC200点台なのだが、TOEICという言葉を知らない中学生の時ももちろん英語が苦手だった。
しかし、数学は意味不明なくらい得意だった。
これは、僕の中学2、3年生時代の成績表(実際のもの)である。
点数の右下の数字は、その教科の学年順位である。僕の中学校は1学年の生徒数は約250人だったため、最下位を取るとここの数字は絶望の250になる。
英語の点数は恥ずかしいので見ないでいただきたいのだが、数学に関しては9回のテストの内4回で満点(100点)を取れている。98点や97点は1問ミスした点数であるため、2年間で受けた9回のテストで5問しか間違えなかったということである。
一方英語は、たぶん数百問は間違えた。
中学レベルの話なので大したことではないが、ステータス振りがかなり極端だったことが伺える。これがゲームなら、遊びで作られたサブキャラだろう。
この時代、僕はそもそも勉強を全くしていなかった。
しかし数学に関しては、自分の中で理解できていない内容があれば、理解できるまで1人で考えていた。
これは、ゲームで一度負けた相手を倒す方法をひたすら練っている状態に似ている。辛いけど頑張って勉強する、というよりはむしろ新しい世界を知るために楽しんで考えている状態だった。
勉強の目的は「理解すること」
みんなは、数学を勉強する目的は何だろうか。定期テストでいい点を取るため、志望校に受かるため、等いろいろあると思う。しかし、それらの目的のほとんどは突き詰めれば「数学を理解すること」に帰着すると思う。数学を理解すれば、100点も取れるし、受験も上手くいくからだ。
つまり、目的は数学を「理解すること」で、そのための手段として「勉強」がある。という認識が良いかもしれない。
また、数学に限らないが、勉強する目的が「勉強すること」になってしまうと、すごく変な感じになっちゃう。
これだと、「○○時間勉強したからOK」とかそういう考え方になってしまう。正しくは、「ここまで理解したからOK」であるべきだろう。1分で理解できたら勉強も1分で止めていいし、1日で理解できなければ次の日も続けたほうが良い。
少なくとも僕は、数学に関しては理解できるまで考え続けるというやり方で取り組んでいた。
理解するのにどのくらい時間がかかるかは個人差があるので、他人の勉強時間を参考にしてもあまり意味はない。あと、人より時間かかるからと言って自分を卑下する必要はない。人それぞれ得意不得意があるからね。僕なんて大学院出てるけどTOEIC200点台だからね。
数学は小さな理解の積み重ね
いきなりだが、みんなは「足し算」を理解しているだろうか?
例えば、
1 + 1 = ?
この答えはすぐに「2」とわかるだろう。誰もが一度は解いたことがあるからだ。
では、
123456789 + 987654321 = ?
これはどうだろうか。1+1よりは複雑で、かつ同じ問題を解いたことが無く時間がかかるかもしれないが、全く手も足も出ないと思う人はほとんどいないはずだ。
なぜ、2問目の足し算は解いたことが無いのに解けそうだと思うのか。
それは、我々が足し算を理解しているからである。
理解しているから、解いたことが無い足し算でも解ける。
つまり、「1+1=2」という特定の問題ではなく、「○+△=□」という足し算の概念を理解している。だから、○や△にどんな数字が来ても問題無い。
そう、理解できていれば、練習問題は1問も解く必要がない。
これは足し算だけでなく、例えば「2次方程式」の場合でも同じである。2次方程式を理解すれば、その練習問題は解かなくてもいい。練習問題を解く時間を、さらに理解を深めるために使った方が良い。
ただし、2次方程式を理解しようとすると、それ以前に「因数分解」がわからない、「平方根」がわからない。等の問題にぶち当たることがある。
この時、わからないものを後回しにすることは数学では絶対にやめた方がいい。
なぜなら、数学は様々な概念の積み重ねで成り立っているからだ。
イメージを図で表すとこんな感じになる。
この満面の笑みの2次方程式を理解するためには、その下にある細かなもの達を全て理解する必要がある。
これは今まで数学をサボっていた人からするとちょいと骨が折れることかもしれないが、一度理解してしまえば、練習問題は解かなくて良くなるし、この上にさらに高次元な数学を積んでいくことができる。
僕は授業中に細かいところまで頑張って理解していた。もし理解しきれない部分があれば、休み時間とかに理解できるまで頭の中で考えていた。また、授業とは関係のない難問集みたいなやつを解くのが好きで解けるまで1日中考えたりしていた。とにかく、難しい問題を考えることが好きだった。
理解したかどうかは自分が一番よくわかる。数学の勉強は、細かいところまで完璧に理解できたと自分が思うまで掘り下げて考えていくだけだ。
この時に気を付けたいことがある。
それは、公式は覚えなくていいから導出できるようにしておく。ということだ。
僕はほとんど公式は覚えていなかった。でも、テストは解けた。それは、テスト中に自分で公式を導出して作れたからである。
公式を自分で導出できるという事は、その公式を理解しているという事である。理解していればいつでも作り出せる。
数学は理解していれば何も怖くない。
でも、できない気持ちもわかる
僕は数学が好きだったし、解けない問題があれば1日中でも考え続けることができた。数学の難問を考え続けていると、ふとした瞬間に答えをパッと思いつくことがあるのだが、この瞬間の快感は何物にも代えがたいものがあった。
しかし忘れないでいただきたいが、僕は英語は壊滅である。壊滅「的」ではなく壊滅している。
「何を言われようができないものがある」という気持ちも嫌というほどよくわかる。
僕も色々な先生に英語を教わってきたし、社会人になって自分で英会話スクールに通ったこともある。中学の参考書を買って何冊かやったこともある。
でも、できないものはできない。
何だろう、そもそも英語が嫌いなのである。あと、英語に興味がない。もっと言うと、海外旅行も行きたいと思ったことがないし、外国人のガールフレンドが欲しいとも思っていない。
このような人と、英語が好きな人とでは、そもそもやる気が違うのである。
数学ができない人も同じだろう。
数学がそもそも嫌いだし、数学に興味もない。有名な数学者も知らない。そもそものやる気が0に近いのだろうと予想する。
そんな数学嫌いの人は、ここまでに書いたような勉強の方法論みたいなことを言われてもピンとこないだろう。むしろ「それができたら苦労せぇへんわ!」と関西弁で苛立っているかもしれない。力になれず申し訳ない。
そういう人は、いきなり勉強をするのではなく、その前のやる気を出すことから始めた方が良い場合がある。
やる気を出す方法
ここまでは、やる気の問題を無視した、単なる勉強の方法論の話だった。
正直、ここまでの内容はネットを探せばよく目にするような話で、自分でも腑に落ちていないところがある。本当は違うことを伝えたいんじゃないか。
たぶん、数学が苦手な人はこんな内容を教えても何も変わらないと思う。なぜなら、数学に対するやる気が0だから、頑張ろうという気持ちが生まれない。
何の教科でもそうだが、やる気を上げることが一番の勉強法である。
なので、最後に「やる気」自体を上げる方法を伝えようと思う。
初めに言っておくが、これは僕がやる気の上がった方法であるため、万人受けはしないだろうと思う。そのため、気持ち半分くらいで見てほしい。
オレンジデイズを見る
いきなり意味不明なことを言い出したと思うかもしれないが、これが意外とマジである。
「オレンジデイズ」とは、妻夫木聡と柴咲コウ主演のドラマである。
知らない人は、何だドラマの話かよ。と思うかもしれないが、これはただのドラマではない。このドラマには、大学生の青春が全部詰まっているのである。
この記事(TOEIC200点台で国立大学に入学した方法)でも触れているが、オレンジデイズには大学生の眩しすぎる青春が全部詰まっているため、見るだけで大学に行きたいという想いが強くなり、勉強への意欲が果てしなく湧いてくるのである。
こんなに簡単にできるやる気を出す方法は他にないと思う。
ただドラマを1つ見るだけである。ぜひ試してほしい。
数学者を好きになる
もう1つ、数学に特化した方法がある。
それは、数学者を好きになることである。
普通の人は、「いや、そんな堅苦しい人達を好きになるわけないじゃん」と思うだろう。ところが、これは大きな間違いである。むしろ逆、数学者はめちゃくちゃ変人ばっかりで人となりもめちゃくちゃ面白い人達なのである。
たぶん、数学のことを考えすぎて世間の常識が通用しなくなっているのだろう。その言動・行動がすべて面白い。
例えば、18世紀に活躍した天才数学者のレオンハルト・オイラーは、数日間不眠不休で数学をして、片目の視力をほとんど失ったが、「目が見えない方が集中できる」と言ってその後も数学をし続けた。
と言われているし、
日本の加藤和也先生は、数学に没頭しすぎて気付いたら全裸で外を歩いていて警察に止められた。
らしい。
どうだろう、数学者の変態エピソードをもっと知りたくならないだろうか。
こんな感じのエピソードが好きな人のために、数学の専門知識も必要なく読める都合の良い本があるので紹介しておく。
天才数学者が1つの難問に挑む姿を描いた、
「フェルマーの最終定理」
サイモン・シン (著)、青木薫 (翻訳)
である。
フェルマーの最終定理は数学界最大の超難問と言われていたが、この定理自体は中学生でもその意味を理解することができる。にもかかわらず、天才と言われた数学者達が300年かかっても証明できなかったのだ。
この本は、そんな数学界最大の超難問に挑み、300年間にわたって苦闘した天才数学者たちの挫折と栄光、そして証明に至るまでを描いた物語である。
ちなみに、この本は僕が今まで読んだ中でめっちゃ面白かったランキングベスト3に入る。
数学の知識がなくても読めるので、数学の変態がいっぱい出てくる小説と思ってもらえればいい。僕は高専生の時にこれを読んでから数学がもっと好きになった。もっと早く知っていればよかったと思ったものである。
数学は何の役に立つのか
最後の最後に、この問いに対する僕の考えを書いておく。
みんなのクラスに、自分が数学ができないからと言ってこういうことを言うヤンキーはいないだろうか。ヤンキーでなくても、心の中で思っていたりしないだろうか。
「数学なんかやって何の役に立つの?」と。
社会に出て2次方程式を解く場面があるの?
三角形の合同を証明する場面があるの?
と思うだろうか。
ここまで丁寧に読んでくれた方ならわかると思うが、数学で重要なのはその概念を理解していることである。そして、その概念を積み重ねることで難しい問題も理解できるようになる。
たとえ中学数学レベルでもいい、この一連の流れを経験することで、論理的思考をする力が身につく。そして、論理的思考は、もはや数学だけでなくあらゆる問題を解決する武器になる。
- TOEIC200点台で大学に入るにはどうすればいいか
- スポーツが上達するにはどうすればいいか
- 憧れの可愛い子をデートに誘うにはどうすればいいか
- その子と付き合うためにはどうすればいいか
これらの一見答えが出ないような漠然とした問題に対して、目的を明確にし、今の自分の状態を考慮した最も効率的なアプローチを組み立てることができる。その力が論理的思考である。
この、パラミシア系の悪魔の実の能力と同等とされる「論理的思考」を手に入れることができ、自分の人生の可能性を広げることができる。これこそが、数学を勉強する意味である。
長くなってしまったが、今までの話を粗くまとめると、
数学という字に女性の漢字が入っていることからもわかるように、数学を頑張ると可愛い子と付き合ったりできるのである。