正論バカとは
はじめに、正論バカがどのような人なのか紹介しておこう。
彼らの特徴として、
- 自分の中の正論や常識を振りかざす。
- 相手の話は聞かず、自分のルールを押し付ける。
- 相手の気持ちを考えることができない。
- 相手を否定する。
- YesかNoか(0か100か)の回答しか理解できない。
- 自分が相手より優れていると思っている。
が挙げられる。
これらの特徴をまとめて言うと、「正論バカ」とは、
自分の考え方しか認めず、しかも相手にそれを押し付け、勝手に優越感に浸っている人
であるといえる。
「正論」と付いているが実態はただの「バカ」
彼らの言っていることは、内容だけ見ると間違っていない。
それゆえに、初めて彼らのような人種と触れ合った人は、言ってる内容は間違ってないのでついつい話を聞いてしまったり、彼らの指示に従ってしまう。
しかし、ある程度付き合いが長くなると、彼らの致命的に間違っている部分が見えてくる。
普通の人なら理解していることだが、人間社会において唯一の正解なんてものは存在しない。どんな物事でも、人それぞれ違った見方があり、その見方の数だけ正解がある。
正論バカは、自分の意見だけが唯一の正解だと思っている部分が間違っているのである。
例えば、A、B、C の友達3人でとても天気が良い日に一緒に映画を見に行くとする。
そこで、
A「今日は天気が良いから、テンションが上がるようなアクション映画を観よう!」
B「天気が良いから、逆に普段は見ないホラー映画を観てみよう!」
C「天気が良いから、ちょっと外を散歩してから映画館に行って、着いた時間にたまたま上映している作品を適当に観よう!」
と3人がバラバラの意見を言ったとしても、これは全て正解なのである。
例え、自分以外の意見に対して「それは違うだろ、、」と心の中で思ったとしても、その人にとってはそれが正解なのだ。
そして、相手も自分に対して「それは違うよ、、」と同じことを思っているのである。
ここで通常であれば、3人の意見を踏まえて、どうするかの落としどころを探っていくことになる。3人の意見が違っているのだから、それをれの考え方を尊重し、理解しようとしながらこの後どうするか決めていくのである。
ここで重要なのは、どの映画を観るかの最適解を求めることではない。
重要なのは、3人がお互いの意見を尊重し、それぞれが相手の立場に立って考え、相手のことを考えた上での答えを探そうとすることである。
こういう姿勢は、人と人がコミュニケーションを取るうえで大事なことである。
ところが正論バカはこういう時、相手の意見を一切聞かず、理解しようともせず、自分の意見がこの世の中の唯一の真理であるかのような態度を取ってくる。
自分の考え方と見たい映画を押し付け、相手にそれを強制させるのだ。
彼らの意見はそれはそれで正解であるが、唯一の正解ではない。
正論バカとは、「正論」というそれっぽいワードが付いているものの、実態は自分の意見を押し付け相手を不快にさせるただの「バカ」である。
「正論バカ」がマネージャになると部下がうつ病になる
提案するだけ時間の無駄
正論バカはパッと見でわからないことが多いため、経営陣の人を見る目が欠落している場合には、間違いが重なってマネージャになってしまうことがある。
こういう連中が自分のマネージャになったときのことを想像してほしい。
普通に地獄である。
自分の意見はどんなに根拠があったとしても受け入れらない。
逆に相手の意見はどんなに非合理的なものであっても強制的に押し付けられる。
このような状況が当たり前になってしまった組織では、自分の意見を述べたり、何かを新しく提案しようとする若手はいなくなるだろう。
たまに、セキュリティ的に致命的な欠陥があるサービスがリリースされ、大問題になることがある。(何とかpayみたいなやつである)
このような問題に対して、
「なぜ欠陥に気付かなかったのか?」
「テストはしなかったのか?」
などと不思議に思った方もいるだろう。
もちろん、本当の真相はわからないが、時としてこのような問題の原因は正論バカなマネージャにある場合がある。
どういうことかというと、この問題が起こった企業ではそもそも、
経営陣に対して意見が通らない。
良い提案であっても受け入れられない。
という残念な組織文化があることが多いのだ。
この様な組織では、例えテスト段階(もしくはその前の設計段階)でシステムの致命的な欠陥にエンジニアが気付いていたとしても、マネージャに報告しない場合があるのだ。
なぜ報告しないのか。
それは、仕様にない項目、テストにない項目について何を言っても受け入れられないし、それを説得するだけ面倒だし、結局は時間の無駄になるからである。
組織文化というものは恐ろしいものである。
問題があるサービスを問題があるとわかったまま世に出すのである。
このような組織では優秀な社員は転職活動を始めているだろう。
YesかNoの回答しか理解できない
これも彼らの特徴である。
彼らは複雑なものを複雑なまま理解することができない。
YesかNoか
やるかやらないか
できるのかできないのか
の答えしか理解できないのである。
よく考えたら当たり前だ、彼らは今まで自分の意見しか理解しようとしなかった人たちである。このような頭の使い方をしてきた人が、複雑なものを理解できるわけがない。
例えば、仕事で何かトラブルがあった場合に、部下が上司(正論バカ)に内容を報告するとこうなる。
部下が、
「トラブルの現状はこういう状況です。こういうことが未確定です。こういうリスクがあります。今後この条件が満たされればこうなります。今は回答を待っている状態です。」
等のように、客観的に状況を正しく報告したとしても正論バカはこんな感じの回答をしてくる。
正論バカ「で、解決するの?しないの?」「いつまでに解決するの?」
部下「○○が確定しないと今ははっきりしたことが判断できない状況です。○○は来週に確定すると考えられます。」
正論バカ「○○がわかったら解決するの?しないの?」「来週のいつわかるの?」「次の報告は何時になるの?今日なの?明日なの?」
部下「はぁ・・・」
極端に表現するとこんな感じである。
そう、彼らは理解力に乏しいため複雑なことが理解できないのである。
そのため、自分が理解できる回答(YesかNoか)が聞けるまで相手を質問攻めにする。
こういう質問のされ方をすると、部下の精神はすり減っていく。
繊細な人なら、体調を崩してしまうかもしれない。
正論バカの対処方法
とにかく関わらない
年を取った正論バカは直らないため、その人と関わらないことが唯一の対処方法となる。
決して相手を諭そうとしてはいけない。
あなたが消耗するだけである。
正論バカを同じ人間と思わず、絶対に関わらないようにすることを第一に考えよう。
関わらないことが無理な場合は
仕事上どうしても関わらないことが無理な場合がある。
極論を言ってしまうが、この場合はもう会社を辞めてしまうのも手だろう。
会社を辞めることが無理な場合は、部門異動の希望を出そう。
正論バカの近くにいると、あなたの精神は知らぬ間に削られ、ストレスによって体調を壊してしまうかもしれない。
ストレスを感じたまま我慢していると、いずれ心も限界を迎えてしまう。
健康は何よりも大事である。
身体を壊してしまえば、仕事も転職活動もできなくなってしまう。
まだ健康なうちに逃げてしまおう。
健康であれば、いつでも復活できる。
バカに関わってあなたがストレスを抱える必要はない。