あれは、僕が高専に入学して4年が経とうとしていた頃である。
当時の僕は英語の単位を落としまくっており、もう単位を取ることを諦めていた。
そんな中、クラス全員でTOEICを受ける機会があった。当時はTOEICについて何も知らず、大学生とかが受ける英語のテスト、くらいの認識であった。
当然勉強なんてやらなかった。
TOEIC当日、先生がおもむろにCDプレーヤーを準備し始めた。
「あぁ、何かリスニング的なやつもあるのか」
とのんきなことを考えている間に問題用紙とマークシートが配られ、初めてのTOEICが始まった。
延々と流れる英語。事前説明も英語、問題も英語、ずっと英語なわけで、マジで問題がいつ始まったのかすらわからない。
え、日本語で説明とかないの?
何これ何にもわかんないんだけど。。
僕は混乱と英語の渦に巻き込まれて溺れていたが、クラスメイトがマークシートを塗っている音を頼りに、一応マークシートを埋めていった。
初めの方は何とか自分なりに考えたりしていたが、中盤あたりから考えても無意味だと思い、マークシートを良い感じに塗りつぶしていく作業となっていた。
後日、結果が返ってきた。
270点だった。
しかし、当時はTOEICが何かわかっておらず、270点がどれほどやばい点数なのか理解していなかった。270点という戦慄迷宮クラスにやばいスコアシートを近くの友達に見せて笑っていた。
友達に200点台はいなかった。
無知とは恐ろしい。